ずっと忘れられない人の話をします


小学校の4年生のとき、同じクラスにPくんという男の子がいました

Pくんは、サッカーが大好きな痩せた優しい男の子です


当時、私はQくんという男の子のことが好きでした

PくんとQくんは名字が同じで家も近く仲良しでした


Qくんの妹と私の通っていたバレエ教室がたまたま同じで、その年の発表会をQくんが見に来てくれる(たぶん毎年きてる)ことになりました

発表会の終演後は、ロビーで見にきてくださったお客さんに会いにいくことが通例なので、私はQくんを探していました

母に気づかれると恥ずかしいのでひっそりと

でも、母は私がQくんのことを好きなのをなぜか知っていたので私よりも先にQくんを見つけて、「ほら!くるみ!Qくんいるよ!Pくんも!」と教えてくれました

恥ずかしかったけれど、3人で写真を撮りました 

本当はQくんと2人で写真を撮りたかったのに、なんでPくん来たの?なんでことを考えながらその日は家に帰りました


5年生になりました

Qくんは家庭の事情で外国に引っ越しました

中学生になると帰ってくるんですけど

私は彼に下手な手作りのマスコットを作ってプレゼントしました

いらなかっただろうな


Pくんとはクラスは離れてしまいました

外国に行ってしまったQくんに思いを馳せながらぼーっと日々を過ごしていたある日、隣のクラスの有名人Dちゃんが私の前に現れます

 「Pがくるみちゃんのこと好きらしいよ!本命だって」

と、言いました

Qくんのことが好きな私はそれを受け入れられず、意味がわからず

「私好きな人いるし、Pは眼中にないし」

と、当時本で読んだ頭の悪そうなセリフを彼に浴びせてしまいました

このことは本当に反省しています

まあでも、その時はなんとなく終わりました


しかし、じわじわと、なんだかPくんのことが気になるようになって来ました

もともとPくんのことは気になっていた

なんだか、気になる


クラスが違うとやっぱり話す機会も少なくて


6年生になりました

Dちゃんと私は同じクラスになります

Dちゃんは、また私に、「彼はくるみちゃんが本命なんだよ!」って伝えてきました

もう私はPくんのことを好きになっていたので、そうなんだ、嬉しいなって思いました


夏休みに入る終業式の日、彼を花壇の近くに呼び出して告白しました

なんて言ったかは忘れちゃったけど

彼ははにかんでうんともすんとも言いませんでした

当時、付き合うという概念はなかったので本当に好意を伝えただけでした


彼はどう思ったんだろう

何にも言ってくれない、どう思ったのかすらもわからない、どんどんイライラしてしまっもういや!って思うようになってしまいました

なんで自分勝手なの私は


あっという間に卒業式です

私は移り気なので幼なじみのKくんのことが好きになっていまし

Kくんとは写真を撮ったのですが、心の底ではPくんと写真を撮りたかった


中学生になります

地元の中学に私もPくんも進学しました

Pくんとは違うクラスです

中学では勉強を頑張っていました

しかし、Pくんはもっと頑張っていました

Pくんは卒業アルバムにノーベル賞を獲りたいと書いていました

Pくんは賢かったのです学年トップだったのです

びっくりです


全然話しませんでした

でも一度だけ呼び止めて、なんであの時返事してくれなかったな、って聞きました

Pくんの部活の男子に茶化されて結局何も聞くことはできませんでした


やがて卒業式

やっぱり写真を撮りたかった、けど、素直じゃないので何も言えませんでした

黙って遠くから彼のことを見ていました


私は地元の進学校に、彼は少し離れたところにあるとても賢い高校に入りました

友達から彼の連絡先を教えてもらい、連絡しました

しばらく続いたものの、すぐに途絶えてしまいました


それから私は彼の誕生日にラインを何度かします

すぐに途絶えます

そりゃそうです

小学校の時に一瞬気になっていた女のことなんかどうでもいいに決まっています

私のことなんかどうでもいいんです、知ってます

だからもう連絡していません

だけど、気になってしまいます


彼はものすごく賢い人が集う大学に通っているようです

もう遠い雲の上の存在なのです

彼女もできているようだし

もう、私のことなんてきっと忘れています

むしろ黒歴史として葬ってます

悲しい

私は、私は

なんて頭が悪いんだろう


はあ


疲れたので終わります